成年後見とは、認知症や知的障害、精神障害によって判断する能力が十分ではない方を、支援・援助する制度です。「市民後見」は弁護士などの専門家ではなく、一般市民が後見業務を行う取り組みです。
「とりで市民後見の会」は、平成27年12月に法人化した団体で、活動としてはまだ始まったばかり。この道に進んだきっかけは、国内でいち早く市民後見の活動を始めた東京都品川区のNPO法人が10年ほど前に行った講座を受講したこと。私は、ファイナンシャルプランナーとしての20年の経験があります。成年後見はそんな自分ができる「究極の仕事」だと、大きな衝撃を受けました。ますます高齢化が進む中で、高い必要性を感じたのです。
NPO法人の目から見て、今の取手の社会はどうですか?
核家族が増え、お年寄りや障害者を支える家族の分母が小さくなっていると思います。近所付き合いも希薄なため、担い手や情報が少なくなってきていると感じることも。
一人一人をしっかり支えるためには、行政や社会福祉協議会との連携を深め、ケアマネジャーや社会福祉士、弁護士や司法書士など、各分野において専門知識のある人とのつながりが重要です。そのためのネットワークは、だんだんと強固なものになってきています。
現在、とりで市民後見の会は13人で活動しています。支える側の人員を増やして受け入れ態勢を整え、1日でも早く、組織運営をよりしっかりとしたものにしていきたいと考えています。
「情けは人の為ならず、巡り巡って己が身の為」
誠に身勝手な考えではありますが、今こうして活動をしているのは「将来の自分を支えてくれる人を増やしていく」と考えての事です。私自身、年を重ねていつ人のお世話になるか分かりません。不自由なく安心して過ごせる環境を増やし、将来に向けて活動していきます。